ゴルフには、一度始めたらやめられない奥深い魅力が詰まっています。生涯スポーツとして、年齢を問わず多くの人々に愛されているのには、確かな理由があるのです。
しかし、その一方でゴルフは繊細な体の動きが求められるスポーツでもあり、特に初心者のうちは知らず知らずのうちに体に無理をさせて思わぬ怪我をしてしまうケースが後を絶ちません。「早く上達したい」「もっと遠くに飛ばしたい」という気持ちが先行し、自己流の練習を続けてしまうと、特定の部位に過度な負担がかかり、痛みや故障の原因となります。
この記事では、ゴルフを始めたばかりの方や、これから始めようと考えている方が、末永くゴルフを楽しむために不可欠な、「怪我をしないための知識」と「安全かつ効果的な練習方法」を徹底的に解説します。
初心者が特に注意すべき代表的な怪我とその原因

ゴルフスイングは、全身を複雑に連動させて行うダイナミックな運動です。スイングフォームが安定していない初心者や、体の柔軟性が不足している方は、特定の部位に負荷が集中しやすく、様々な怪我を引き起こす可能性があります。
手首の怪我(腱鞘炎、TFCC損傷など)
主な原因:
- 不適切なグリッププレッシャー: クラブを強く握りすぎると、インパクトの衝撃がダイレクトに手首に伝わり、炎症を引き起こします。
- 過度なコック(手首の折れ)の意識: ボールを上げようとして手首を使いすぎると、手首の腱や軟骨に大きな負担がかかります。
- ダフリの多発: 地面にクラブヘッドを叩きつける際の強い衝撃が手首を直撃します。
- 間違ったハンドファーストの意識: 過度に手を先行させようとして手首に不自然な角度がつくと、痛みの原因になります。
肘の怪我(ゴルフ肘、テニス肘)
主な原因:
- 手打ちスイング: 体幹を使わず、腕や手の力だけでクラブを振ると、肘の関節や周囲の筋肉・腱に過剰なストレスがかかります。
- インパクト時の衝撃: ダフリやトップなど、ミスショット時の衝撃が肘に伝わります。
- 不適切なスイングプレーン: クラブがインサイドから入りすぎたり、アウトサイドから下りてきたりする軌道だと、肘に無理な力が加わります。
- 練習のしすぎ: 同じ動作の繰り返しによるオーバーユースも大きな原因です。
肩の怪我(肩関節周囲炎、腱板損傷など)
主な原因:
- 無理なオーバースイング: 飛距離を出そうとして、自分の可動域を超えて大きく振りかぶると、肩関節や周囲の筋肉・腱を痛めます。
- 体幹と連動しないスイング: 肩だけでクラブを上げようとすると、肩関節への負担が増大します。
- ダウンスイングでの「力み」: 上半身、特に肩周りに力が入りすぎると、スムーズな動きが阻害されます。
- 間違ったトップオブスイングの形: トップで脇が開きすぎると肩にストレスがかかります。
腰の怪我(ぎっくり腰、筋筋膜性腰痛など)
主な原因:
- 不適切なアドレス(前傾姿勢): 前傾角度が深すぎたり、背中が丸まっていたりすると、スイング中に腰へ過度な負担がかかります。
- 体幹を使わない手打ち: 腰の回転ではなく、腕力だけで打とうとすると、腰椎に無理な捻転力が加わります。
- 過度な捻転や体重移動: 体の柔軟性に見合わない大きな捻転や、急激な体重移動は腰を痛めるリスクを高めます。
- 長時間の練習による疲労: 同じ姿勢や動作の繰り返しで、腰部の筋肉が疲労し、柔軟性が低下します。
- 腹筋・背筋の筋力不足: 体幹を支える筋力が弱いと、スイングの軸がぶれやすくなります。
膝の怪我(半月板損傷、靭帯損傷など)
主な原因:
- 不適切なスタンスや体重移動: スタンス幅が広すぎたり、スイング中に膝が内外にぶれたりすると、膝関節に大きな負担がかかります。
- オーバースイングによる膝のロック: トップやインパクトで膝が伸びきってしまうと、衝撃が直接膝にかかります。
- スパイクレスシューズでのグリップ不足: 足元が滑ると、踏ん張りが効かずに膝をひねってしまうことがあります。
- 膝周りの筋力不足: 膝周りの筋力が弱いと、スイング中の負荷を支えきれません。
怪我を防ぐための練習の心得:10の鉄則

「早く上手くなりたい」という気持ちは誰にでもありますが、焦りは禁物です。怪我をしてしまっては、元も子もありません。ここでは、ゴルフ初心者が安全に、そして着実に上達するために、練習時に必ず守ってほしい10の鉄則を詳しく解説します。
1. 練習前の準備運動・ストレッチは生命線!最低15分は確保しよう
ゴルフスイングは、日常ではあまり使わない筋肉や関節をダイナミックに動かすため、事前のウォーミングアップとストレッチが不可欠です。筋肉や関節を温め、柔軟性を高めることで、可動域が広がり、スムーズな動きが可能になります。
ウォーミングアップ(5分程度):
- 軽いジョギングやその場での足踏み、腕回し、肩回しなどで体温を上げる
- ゴルフスイングを意識した素振り(最初はゆっくり、徐々に大きく)
静的ストレッチ(10分程度):
- 首: 前後左右にゆっくり倒す、ゆっくり回す
- 肩・肩甲骨: 両手を組んで前に伸ばす、背中で手を組んで胸を開く
- 腕・手首・指: 腕を前に伸ばして手首を上下に曲げる、指を一本ずつ丁寧に反らせる
- 体側・背中: 片手を上げて体を横に倒す、両手を組んで上に伸びる
- 腰・股関節: 開脚して前屈、膝を抱えて胸に引き寄せる
- 太もも・ふくらはぎ: 前もも、裏もも、ふくらはぎをそれぞれしっかり伸ばす
練習後にもクールダウンとして軽いストレッチを行うと、疲労回復を早め、筋肉痛の予防にもつながります。
2. 正しいフォームこそ最大の防御!基本を徹底的に体に叩き込む
自己流の癖がつく前に、正しいグリップ、アドレス、スイングの基本を身につけることが、怪我を防ぎ、効率的に上達するための最重要ポイントです。
グリップの重要性:
- クラブとの唯一の接点であり、スイングの根幹をなします
- 握り方(オーバーラッピング、インターロッキング、テンフィンガー)、握る強さ(小鳥を優しく包む程度)を正しく習得する
- 間違ったグリップは手首や肘の痛みの直接的な原因になります
アドレス(構え)の安定感:
- 背筋を伸ばし、股関節から前傾し、膝を軽く曲げる
- 体重は両足の母指球あたりに均等にかける
- ボールとの距離、スタンス幅もクラブごとに適切に調整する
スイングの基本動作:
- 「手打ち」ではなく「体幹主導」のスイングを意識する
- バックスイングでは肩と腰をしっかり捻転させる
- ダウンスイングは下半身リードで始動する
- フォロースルーからフィニッシュにかけては、バランスを崩さず、目標方向に体が向くまでしっかりと振り抜く
3. 急がば回れ!小さなスイングから段階的に練習を進める
ゴルフを始めたばかりの頃は、とにかく遠くに飛ばしたい、ドライバーを打ちたいという気持ちが強くなりがちですが、それが怪我の落とし穴です。
ショートアイアンでのハーフスイングから:
- まずはサンドウェッジ(SW)やアプローチウェッジ(AW)、9番アイアン(9I)から
- 腰から腰(9時から3時)程度の小さな振り幅から練習を始める
- クラブフェースの芯でボールを正確に捉える感覚を養う
徐々にスイングアークを大きく:
- ハーフスイングで安定して打てるようになったら、肩から肩へ、そしてフルスイングへと段階的に
- 常に体の軸を意識し、バランスを崩さないように注意
クラブも段階的に:
- 短いアイアン → ミドルアイアン → ユーティリティ → フェアウェイウッド → ドライバーの順に
- 長いクラブほどミートが難しく、体への負担も大きくなるため、焦らずじっくり取り組む
練習量の目安:
- 初心者のうちは、1回の練習で100~150球程度、週に1~2回が目安
- 量より質を重視し、一球一球テーマを持って練習する
4. クラブは相棒!自分に合った「無理のない」スペックを選ぶ
上級者向けのハードなクラブや、体格に合わないクラブを使うことは、スイングを不必要に難しくし、体に余計な負担をかけて怪我の原因となります。
初心者向けクラブのポイント:
- シャフト: 軽くて柔らかめ(フレックスRやLなど)のものが振りやすい
- ヘッド: 大きめでスイートスポットが広い「キャビティバック」タイプがおすすめ
- クラブの重さ: 実際に振ってみて、重すぎず軽すぎないものを選ぶ
試打の重要性:
- ゴルフショップで、実際にボールを打ってみて、振りやすさや打感、弾道などを確認
- 中古クラブでも質の良いものがたくさんあるので、予算に合わせて賢く選ぶ
5. 練習環境も吟味する!安全で集中できる場所を選ぶ
練習場の環境も、怪我の予防や練習の質に影響します。
- 打席マット: 硬すぎるマットは手首や肘への衝撃が強い
- 打席の広さ: 安全にスイングできる十分なスペースが確保されているか確認
- 照明: ナイター練習の場合、照明が暗すぎるとボールが見えにくく、フォームも確認しづらい
- 周囲への配慮: 練習に夢中になるあまり、周りへの注意が散漫にならないように
6. 体幹こそスイングのエンジン!地道なトレーニングで安定性を強化
「手打ち」を卒業し、再現性の高い安定したスイングを身につけるには、体幹(胴体部分の深層筋群)の強化が不可欠です。
ゴルフにおける体幹の役割:
- スイング中の回転軸の安定
- 捻転パワーの蓄積と解放
- バランスの維持
- 衝撃の吸収と分散
初心者でもできる簡単な体幹トレーニング例:
- プランク: うつ伏せになり、肘とつま先で体を支え、30秒~1分キープ
- バードドッグ: 四つん這いになり、片腕と反対側の脚を伸ばしてキープ
- スクワット: 肩幅に足を開き、お尻を後ろに突き出すように膝を曲げる
- ヒップリフト: 仰向けに寝て膝を立て、お尻を持ち上げる
- ドローイン: 仰向けに寝て膝を立て、息を吐きながらお腹をへこませる
7. 休息も練習のうち!「積極的休養」で体をいたわる
「もっと練習しなきゃ」と焦る気持ちは分かりますが、疲労した状態での練習は、集中力の低下、フォームの乱れを招き、結果的に怪我のリスクを高めるだけです。
- 練習頻度の目安: 初心者のうちは、週に1~2回の練習で十分
- 積極的休養: 練習の翌日などに、軽いウォーキングやストレッチ、ヨガなどを行う
- 睡眠の重要性: 質の高い睡眠は、筋肉の修復や疲労回復に不可欠
8. 痛みは体からのSOS!小さなサインも見逃さず、勇気ある撤退を
練習中やラウンド中に、体のどこかに「ピリッ」「ズキッ」といった痛みや違和感を覚えたら、それは体からの重要な警告サインです。
筋肉痛と関節痛・腱の痛みの違い:
- 筋肉痛: 運動後数時間~翌日にかけて現れる筋肉の痛みで、通常は数日で自然に治まる
- 関節痛・腱の痛み: 関節の特定の部分や、腱に鋭い痛みや持続的な痛みが生じる場合は注意が必要
痛みを感じたら、すぐに練習を中止し、患部の状態を確認しましょう。
9. 水分補給と栄養バランスも大切!体の内側からコンディションを整える
適切な水分補給とバランスの取れた食事も、怪我の予防とパフォーマンス向上には欠かせません。
- 水分補給: 練習中はもちろん、練習前後にもこまめに水分を摂る
- 栄養: タンパク質、炭水化物、ビタミン・ミネラルをバランス良く摂取する
10. 楽しむ心が一番の薬!焦らず自分のペースで向き合う
ゴルフはすぐに結果が出るスポーツではありません。焦りや過度なプレッシャーは、力みや無理な動きにつながり、怪我のリスクを高めます。
- 他人と比較するのではなく、昨日の自分より少しでも成長できた部分を見つける
- 小さな成功体験を積み重ねることが、モチベーション維持と楽しさにつながる
- ゴルフの多面的な魅力を味わいながら、自分のペースでじっくりと取り組む
初心者向け・怪我をしないための具体的な練習ステップ

具体的にどのようなステップで練習を進めていけば、怪我のリスクを最小限に抑えつつ、効率的に上達できるのでしょうか。ここでは、初心者の方が取り組むべき練習ステップを、詳細なポイントやドリルを交えながらご紹介します。
ステップ1:盤石の土台作り!グリップとアドレスの徹底チェック&修正
全てのショットの成否は、この最初の準備段階で8割決まると言っても過言ではありません。
グリップのチェックポイント:
- 握り方: オーバーラッピング、インターロッキング、ベースボール(テンフィンガー)から自分に合うものを選ぶ
- 左手の位置: 指の付け根で握り、親指はシャフトの真上か少し右に置く
- 右手の位置: 左手の親指を包み込むように、生命線で合わせる
- 握る強さ: 「小鳥を握るように」10段階で3~4程度の力感
アドレスのチェックポイント:
- スタンス幅: アイアンは肩幅程度、ドライバーは肩幅より少し広め
- ボールの位置: 短いアイアンはスタンスの中央、ドライバーは左足かかと内側
- 前傾姿勢: 背筋を伸ばしたまま、股関節から前傾
- 体重配分: 両足均等、もしくはややつま先寄りに
練習ドリル:
- 鏡の前でグリップとアドレスを何度も確認する
- スマホで自分のアドレスを撮影し、プロのフォームと比較する
ステップ2:ミート率向上!小さな振り幅でボールを正確に捉える
目的:クラブフェースの芯でボールを捉える感覚(ミート感覚)を養う。
- 使用クラブ: SW、AW、PW、9I
- 振り幅: 時計の針で言う「9時から3時」程度
意識するポイント:
- 体の回転で打つ: 手先で操作せず、体を左右に回す
- ボールをしっかり見る: インパクトの瞬間までボールから目を離さない
- クラブの最下点を意識する: ボールの少し先が最下点になるように
- 一定のリズムとテンポ: ゆっくりとしたリズムで振る
練習ドリル:
- 両足閉じドリル: 両足を揃えて、体の回転で打つ感覚を養う
- ティーアップしたボールを打つ: 最初はボールに当てることを優先
ステップ3:徐々に振り幅を拡大!スリークォータースイングで安定感を高める
目的:ハーフスイングの感覚を維持しながら、より大きなスイングでも安定してミートできるようにする。
- 使用クラブ: ショートアイアン~ミドルアイアン
- 振り幅: バックスイングで左腕が地面と平行になる程度
意識するポイント:
- 体重移動: バックスイングで右足に、フォロースルーでは左足に
- コックの自然な使用: 手首が自然に折れ、自然にリリースされる
- 下半身リード: ダウンスイングは、腰の回転から始動する
練習ドリル:
- スプリットハンドドリル: グリップを左右の手を少し離して握り、腕と体の同調性を高める
- 一本足打法ドリル: バックスイングで左足を少し上げ、ダウンスイングで踏み込む
ステップ4:いよいよフルスイング!ただし「力まない」ことが最重要
目的:バランスを崩さず、再現性の高いフルスイングを身につける。
- 使用クラブ: ミドルアイアン~ドライバー
意識するポイント:
- 力感は7割程度: 最初からマン振りは禁物
- リラックス: 肩、腕、手首など、上半身の余計な力を抜く
- 大きなアークを描く: クラブヘッドを遠くに放り出すイメージ
- フィニッシュでピタッと止まる: バランスを崩さずに静止できることが大切
練習ドリル:
- 連続素振り: 一定のリズムで連続して素振りを行う
- ドライバーのティーアップ高め打ち: 高めにティーアップして、アッパーブローで捉える感覚を掴む
ステップ5:クラブの特性を理解!様々なクラブでの練習と距離感の把握
目的:各クラブの役割と飛距離を理解し、状況に応じて使い分けられるようにする。
意識するポイント:
- 番手ごとの飛距離を把握する: 自分の平均的な飛距離を記録しておく
- 同じスイングを心がける: 基本的に、どのクラブでもスイングの基本は同じ
- 得意なクラブを作る: 特に自信を持って打てるクラブを1~2本作る
練習ドリル:
- 100ヤード以内を打ち分ける練習: 30ヤード、50ヤード、70ヤード、90ヤードなど
ステップ6:スコアメイクの鍵!アプローチとパターの集中練習
目的:グリーン周りの短い距離を確実に寄せる技術と、パッティングの精度を高める。
アプローチショット:
- 種類: ランニングアプローチ、ピッチ&ラン、ピッチショットを状況に応じて使い分ける
- 距離感: 振り幅で距離をコントロールする練習をする
- スタンス: 狭めのオープンスタンスでコンパクトに
パッティング:
- グリップ: 手首を使わないよう、肩のストロークで打つ
- ストローク: まっすぐ引いてまっすぐ出す「ストレート・トゥ・ストレート」が基本
- 距離感: 振り幅の大きさで距離をコントロール
- 方向性: フェース面を目標に正確に合わせる
練習ドリル:
- アプローチ: 目標に向かって入れる練習
- パター: 1mのショートパットを連続で入れる練習、様々な傾斜から打つ練習
怪我をしてしまった場合の対処法

どんなに予防策を講じていても、残念ながら怪我をしてしまう可能性はゼロではありません。適切な初期対応と、その後のケアが非常に重要です。
初期対応の基本「RICE処置」を徹底する
怪我の応急処置の基本として知られる「RICE(ライス)処置」を覚えておきましょう。これは、Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字を取ったものです。
Rest(安静):
- 怪我をした直後は、まず無理な運動を完全に中止し、患部を動かさないようにして安静を保つ
- 痛みを我慢してプレーや練習を続けるのは絶対に避ける
Ice(冷却):
- 炎症や内出血、腫れを抑えるために、患部を氷のうやアイスパックなどで冷却する
- ビニール袋に氷と少量の水を入れ、タオルで包んでから患部に当てる
- 1回15~20分程度、数時間おきに繰り返す
Compression(圧迫):
- 患部の腫れや内出血を最小限に抑えるために、弾性包帯やテーピングなどで適度に圧迫する
- 強く締めすぎると血行障害を起こす可能性があるので、しびれや変色がないか確認する
Elevation(挙上):
- 患部を心臓より高い位置に保つことで、重力を利用して腫れや内出血を軽減させる
- 例えば、足首を怪我した場合は、クッションや台の上に足を乗せて高くする
専門医の受診をためらわない
RICE処置はあくまで応急処置です。次のような場合は、自己判断せずに速やかに整形外科などの専門医を受診しましょう。
- 痛みが強い、または徐々に悪化している
- 腫れがひどい、または熱を持っている
- 患部を動かせない、または体重をかけられない
- しびれや感覚の異常がある
- 応急処置をしても症状が改善しない、または2~3日経っても痛みが続く
医師は、問診、触診、レントゲンやMRIなどの画像検査を通じて正確な診断を下し、適切な治療法を提案してくれます。
焦らず、医師の指示に従い、リハビリに専念する
診断結果によっては、一定期間ゴルフを休む必要があるかもしれません。「早く復帰したい」という気持ちは痛いほど分かりますが、焦りは禁物です。医師や理学療法士の指示に従い、リハビリテーションプログラムに真剣に取り組みましょう。
リハビリは、単に痛みが取れるのを待つだけでなく、患部の機能回復、筋力強化、柔軟性の改善、そして再発予防のための正しい体の使い方を学ぶ重要なプロセスです。
ゴルフができない期間は、体幹トレーニングや、怪我をしていない部位のストレッチなど、できる範囲でのコンディショニングを続けることも、スムーズな復帰につながります。
復帰後の注意点
医師から許可が出ても、すぐに以前と同じように練習やプレーを再開するのは危険です。徐々に運動強度や時間を増やしていく「段階的復帰」を心がけましょう。
- 最初は軽い素振りやアプローチ練習から始める
- 練習前後のウォーミングアップとクールダウンは入念に行う
- 少しでも痛みや違和感があれば、すぐに練習を中止する
- 怪我を経験したことで、自分の体と向き合い、より賢明なゴルファーへと成長できる
まとめ:正しい知識と賢明な実践で、一生涯楽しめるゴルフを!
ゴルフは、自然の中で自分自身と向き合い、技術とメンタルを磨きながら、仲間との交流も楽しめる、まさに生涯スポーツと呼ぶにふさわしい魅力にあふれています。しかし、その楽しさを長く、深く味わうためには、何よりも「怪我をしないこと」が大前提となります。
初心者が陥りやすい怪我の原因を理解し、正しい準備運動やストレッチを習慣化すること、基本に忠実なフォームを身につけること、そして何よりも自分の体の声に耳を傾け、無理のない練習を心がけることが、安全なゴルフライフを送るための鍵となります。
焦らず、一歩一歩、着実にスキルアップしていく過程そのものも、ゴルフの大きな楽しみの一つです。時にはプロの指導を受けたり、ゴルフ仲間と情報交換をしたりしながら、自分なりのペースで上達を目指しましょう。
正しい知識を身につけ、賢明な練習方法を実践することで、あなたはきっと、怪我のリスクを最小限に抑え、ゴルフという素晴らしいスポーツを一生涯の友とすることができるでしょう。青空の下、仲間たちと笑い合いながら、最高のショットを追求する。そんな充実したゴルフライフが、あなたを待っています。